今さら聞けないベンチマーク制度~食料品スーパーのうちは対象になる?~

食品スーパーがベンチマーク制度の対象に追加されました

食品スーパーマーケットでベンチマーク制度が始まりました。全国で説明会や勉強会が積極的に開催され、参加された方も多いかと思います。このベンチマーク制度は、省エネへの取組を促進するために行われている制度であり、目指すべき水準を達成した食品スーパーマーケットは省エネ優良事業者として社名を公表されます。

省エネ優良事業者になると経産省のHPで公表されるため、自社のブランド力などをPRできる一方、「事業者クラス分け制度」の対象となっている企業は「原単位1%低減」という毎年頭を悩ませる課題を達成しなくてもSクラスに位置付けられます

 

 

 

このベンチマーク制度で「目指すべき基準」となっているのは同じ業種の他社との比較ですが、どういった事業者が対象になるでしょうか。対象となる企業は報告が必要となるため、自社が対象になるかどうかは非常に重要になります。

 

 

 

実はこのベンチマーク制度は食品スーパーマーケット以外の業種ではこれまでも9業種、13分野で行われてきました。そのなかで平成30年(2018年)4月から食料品スーパー業とショッピングセンター業、貸事務所業が追加されました。だからこそ2018年、2019年と食品スーパーマーケットの経営陣や店長様からお問合せをいただく機会が非常に増えました(製造業では早くから制度が始まっていましたが、業務部門としてはコンビニエンスストアが先んじて開始されました)。

 

 

 

 

うちの食品スーパーは対象?気を付けたい対象事業者の条件!

 このベンチマーク制度ですが、商業統計の業務分類で「食料品スーパー」になる場合はベンチマーク制度の対象店舗となり、事業者単位で「その店舗のエネルギー使⽤量の合計が1,500kl以上」の場合はベンチマークの報告が必要となります。

対象となる店舗は「売り場の50%以上でセルフサービス方式を採用している事業所」ですが、一般的な食品スーパーマーケットはほぼセルフサービス方式かと思います。

 

 

実際、どんな店舗が対象になるかというと、「売上の70%以上が取り扱い商品の食」で「売り場面積が250㎡以上」となるため、自社や自社の店舗が対象になっているかどうか改めて確認が必要になります。

 

 

 

 

対象となっている場合は報告が必要となりますので、「うちは大丈夫かな」と考えているとうっかり対象になっている可能性もあります。だからこそ、「売上の何%が食であるか」、「売り場面積は250㎡以上であるか」はこの機会に確認したほうが良いです。

実際、経産省や政府としてはベンチマーク制度の対象を増やしていっており、食料品スーパー業が対象となったのもこの一環です、今後さらに対象を拡大する可能性もあるので、いつ自社が対象になったかどうかわかるよう確認しましょう。

 

 

 

ベンチマーク制度の対象事業者に関しては少し注意が必要です。例えば、「うちは小さい店舗を展開している」場合も対象になることがあります。事業者単位で「エネルギー使用量の合計が1,500kl以上」というのは複数店舗の合計値です。

だからこそ、「セルフサービス方式、売上の食の割合が70%以上、売り場面積250㎡以上」を満たす店舗を抽出し、そのエネルギー使用量の合計値が1,500kl以上になる場合はベンチマーク制度の報告の対象になります。店舗ごとにエネルギー使用量を算出して「大丈夫」と思うと注意が必要な点です。ポイントは対象店舗のエネルギー使用量の合計値となりますので、

1.まず対象となる食品スーパーの店舗をピックアップする
(セルフサービス方式、食が70%以上、売り場面積250㎡以上)
2.対象の食品スーパーのエネルギー使用量を店舗ごとに算出する
3.各店舗のエネルギー使用量を合算する

という手順が必要です。

この時、対象店舗のエネルギー使用量の合計値が1,500kl以上になる場合はベンチマーク制度の対象です。

 

店舗ごとに算出しておくことで、後で報告する時に楽になりますので、店舗ごとに把握しましょう。

 

 

 

 

食品スーパーの経営者や店長にとって、ベンチマーク制度は「やらなければならないこと」であるため、忙しい中で非常に大変になります。しかし、自社の現状と省エネへの取組状況を把握する非常にいい機会になりますので是非活用しましょう。

さらに、ベンチ―マーク制度の導入業種では省エネ補助金で有利な評価となり、補助金を活用しやすくなります

実は、“ベンチマーク目標を達成していなくても”有利な評価となるため、このベンチ―マーク制度の対象となった食品スーパーの方は賢く制度を活用することができます。

 

 

 

 

ベンチマーク制度への対応、活用はプロへ相談して安心

食品スーパー省エネ.comを運営しているミツイワ株式会社では、全国の食品スーパー様からのご相談を承っています。ベンチマーク制度や省エネ対策、HACCP対応といった食品スーパーの経営者様、店長様のサポートを行っております。

ベンチマーク制度など食品スーパー様業界で始まったばかりの取組は不安などがあるかと思いますので、是非一緒に対応してベンチマーク制度を活用しましょう。

 

「ベンチマーク制度の対象かどうかわからない・・・」、「ベンチマーク制度がいまいちわからない・・・」、「どう対応すればいいだろうか」などお気軽にご連絡ください。

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