吐出圧力の見直しとエア漏れ点検
コンプレッサの省エネ手法は様々です。
そこで、「最新機器への更新をせずに、既存の設備の運用方法の改善で省エネを実現したい」という方向けに、自社でできるコンプレッサの省エネ手法を一部抜粋してご紹介いたします。
今回は、「吐出圧力の見直しとエア漏れ点検」についてです。
吐出圧力と使用電力量の関係
コンプレッサの吐出圧力を低減させることは、消費電力量の削減につながります。
吐出圧力を0.05MPa下げると、使用電力量を約4%下げることができ、下のグラフのように0.1MPa(0.7→0.6MPa)下げると、約9%の省エネを実現します。
皆様の使用している機械によっては、必要な圧力が最大で0.45~0.5MPaという場合もあります。
その場合は、配管の敷設状況等によっても異なりますが、圧力を0.7MPaから0.6MPaまで下げることができます。
圧力不足となることを懸念して、必要以上に設定圧力を高くしているケースは多いです。
必要な圧力や配管状況等によって最も圧力不足となりやすい設備に合わせて、稼働上問題ない範囲で少しずつ圧力を下げていくことをおすすめします。
吐出圧力低減による電気代削減のイメージ
エア漏れの点検と補修
コンプレッサの省エネで欠かせない要素のひとつが、「エア漏れの低減」です。
工場内の様々な機器の動力としてエアは使用されていますが、配管の継手やバルブ、ホースなど、様々な箇所からエア漏れが生じています。
一般的に、工場全体のエア使用量のうち20~30%は漏れによりロスしていると言われています。
(古い工場だと50%ほど漏れているというケースも。)
工場全体の電気使用量におけるコンプレッサの割合が20~30%と言われており、さらにその20~30%がエア漏れによりロスしているため、
工場全体の電気代の4~9%がエア漏れにより損失している計算になります。
そのため、エア漏れの低減は設備投資などを行わずにできる非常に効果的な省エネ手法のひとつです。
エア漏れ箇所の特定については、以下の記事にて詳しく解説しています。