電気代が高騰している昨今、コンプレッサのメンテナンス方法を見直しましょう
電気代の高騰を受けて、お客様の現場担当者様からは「電気代削減の良い省エネ方法はないか」という声をよくいただきます。
実際、2021年以降は新型コロナウイルスの蔓延や世界情勢の影響を受け、電気代は上がり続けています。
2023年に入ってから電気代の高騰速度は少し落ち着いたように見られますが、それでも今後もまだ高止まりすることが予想されます。
多くの電気を使用する製造業の工場にとって、電気代削減は喫緊の課題と言えます。
工場の省エネを行う際に必ずチェックしていただきたいのが、コンプレッサです。
業種などによっても異なりますが、一般的にコンプレッサは工場全体の20~30%の電気を使用していると言われています。
そこで今回は、コンプレッサの省エネ方法のうちのひとつ、「吸気温度の低減」について解説します。
コンプレッサの吸気温度と使用電力量の関係
コンプレッサの吸気温度を低減すると、空気密度が上がるため多くの空気を処理できるようになるため、省エネにつながります。
下のグラフを見るとわかるように、吸気温度を5℃下げると1.8%、10℃下げると3.8℃の電気使用量削減ができます。
コンプレッサの故障防止のための周辺温度の適正化
省エネという観点において、吸気温度の低減は重要だとお伝えしましたが、機器の延命という観点からも、周辺温度の適正化は非常に重要です。
コンプレッサの最適な周辺温度は2~40℃であり、低すぎるor高すぎると、故障の原因となります。
0℃以下の環境で使用すると、ドレンの凍結により圧縮機各部に動作不良が発生します。
また、40℃以上の環境で使用を続けると、ベアリンググリスの劣化やピストンリングの摩耗を早め、これも寿命低下や破損事故の原因となります。
特に、夏場はコンプレッサを設置している部屋の温度が40℃を超えているケースは意外と多いです。
皆様の工場も、夏場のコンプレッサ室の温度が40℃以上になっていないか、確認しましょう。
夏場のコンプレッサの周辺温度を下げる方法
それでは、実際にコンプレッサ室の温度を下げる方法としては、どのような方法があるのか、その一部をご紹介します。
排気ダクトを設置する
コンプレッサは、機器上部から熱を持った排気を出します。
これが室内に充満したままだと、室内に排気の熱がこもってしまい、室内温度が上昇します。
換気扇による排気だけでは不十分なため、コンプレッサ上部から直接室外に熱を逃がすため、排気ダクトを設置することが効果的です。
排気ダクトや天井に遮熱・断熱対策を行う
排気ダクトを設置するだけでなく、そこにさらに遮熱・断熱対策を行うことも非常に効果的です。
排気ダクトにより熱を持った排気を直接室外に逃がすことができていたとしても、排気ダクトからの放熱による温度上昇は生じています。
そのため、排気ダクトに遮熱シートや断熱ジャケットを貼り付けることで、ダクトからの放熱を抑えて室内温度の上昇を防ぐことができます。
また、天井に遮熱シートなどを貼り付けることで、屋根からの熱を抑えて室内温度を下げることもできます。
省エネ・延命のためのコンプレッサの設置環境チェックリスト
今回はコンプレッサの省エネについて、給気温度・周辺温度の低減という観点から解説しました。
以下に、温度低減のための適切なコンプレッサの設置環境ができているかのチェックシートを記します。
皆様の工場では適切にコンプレッサの設置環境を整えられているか、確認しましょう。
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複数台のコンプレッサの運転を制御し、必要な機器の起動・停止を制御するのが台数制御です。
しかし、コンプレッサメーカーによる台数制御盤は、他社製のコンプレッサは制御できないなどの制限がありました。
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